ゴルフ工房井沢のクラブづくり

About Making Clubs

±0.5g以内の徹底した重量管理

大量生産の市販クラブは、販売価格や生産コスト上、ある程度の許容範囲内（±2g）の個体差を製品として市場で販売されています。特に重量となるとカタログに明記された通りのスペックを手にするのは至難の業かもしれません。特にアイアンセットは7gずつ重さが増えるのに対して、5番が-2g、6番が+2gでは 11gの差が出る事になります。1本だけを見れば気にならないかもしれませんが、セットとなるとこの差がスイングに影響を及ぼし、ミスショットに繋がる結果にも。
当工房は組付けの際7gに対して±0.5g以内を目標値として重量管理を行っています。

接着へのこだわり

接着剤のわずかな重さも総重量に影響します。ヘッド穴の口径や深さにもバラツキがあるため、ヘッド内やシャフト先端に滞留する量でも重量の他バランスも変化してきます。
当工房では接着剤重量も加味しながら、接着前に確認しておいたバランス、重量に対して接着後も全番手が均一に変化する様、一本毎に計量した接着剤を塗布します。
また、ヘッドとシャフトにはわずかなガタツキもあり、人それぞれ挿入時のクセ等でネックとシャフトがくの字接着となり、本来のロフト・ライ角に狂いも生じてきます。接着と言っても簡単な作業ではなく、熟練の技術を駆使し、よりセンターにしっかり挿入する事を重要視した上で行います。
お客様の保管状況により、接着剤も変えることもあります。夏の間も車の中に入れっ放しにされる方などはヘッド抜けの原因にもなるので、熱に強い接着剤を使用します。また、リシャフトを繰り返す人には取り外しの容易な接着剤を使用します。

ロフト角・ライ角へのこだわり

アイアンは各番手ごとに約10～15 ヤード刻みで飛距離が出るよう設計されています。この飛距離差を出すようにロングでは3度、ミドルからショートにかけて4度と言った刻みで設定されています。市販クラブでは個体差や接着時のズレなどで1度程度の誤差クラブが混在していますが、重量同様にマイナス側とブラス側のクラブでは2度の開きや6度の開きなどで飛距離もバラバラになってしまいます。ライ角も同様にきちんとフローしていないものは左右のブレが生じます。
当工房ではお客様のクラブを拝見し、ズレの原因を確認してから相談の上作業を行います。クラブを大切にされている方などは、安易にネックを曲げてしまうのではなく、クラブをバラして差し替え調整を行う場合や、簡単な作業でネックを曲げる場合でも、長年培った技術で出来るだけネックに曲げた痕跡やシワなどが残らないよう、数ヶ所に分けた曲げ補正で調整します。

スパインへのこだわり

シャフトは構造上スパインと呼ばれる背骨にあたる部分があります。
カーボンシャフトはシートを巻いて作るので巻き終わりの部分が重なる事で厚みが生まれ硬くなってしまい、金属のスチールシャフトでは溶接部分が硬くなります。
このスパイン位置に合わせてシャフトのデザインやロゴは作られていないケースがほとんどなので、見た目重視で組み付けてしまうと当然スパイン位置がズレてしまう事になります。
極端にスパイン位置のズレた状態の物はグリップを固定し振動を計測するとクラブの挙動が不安定にフレてしまいます。組付け前に計測器でシャフトをたわませ、周方向の硬度を測定してシャフトの向きを最適な位置に合わせる事でクラブの挙動が安定し、再現性の高いショットが可能になります。

1本1本の数値を記載したカルテの作成

試打診断

お客様のスイングや好みを検証する為、当工房の試打クラブを打ってもらい最適なクラブを見つけていきます。同じヘッドに同じシャフトでも組付け方次第で微妙な特徴は付けていけますので、要望に合わせ試打クラブに味付けしたスペックでお作りします。アフターサポートも万全に購入後も実際使われた感想などをお聞きしながらミス球やクセ球を最小限に抑える様、調整しながら対応しています。